ブログ - 保険のはなし

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製造業がPL保険に入るべき本当の理由

2026.11.04

製造業の経営者とお話ししていると、

「うちは品質管理をしっかりやっているから大丈夫」

という言葉をよく聞きます。

私もその通りだと思います。

実際、日本の中小製造業は世界に誇れる技術力と品質を持っています。

しかし、保険代理店として様々な事故を見てきた中で、強く感じることがあります。

それは、

事故を起こした会社もまた、真面目な会社ばかりだった

ということです。

生産物事故が起きたというニュースを見ると、大概の人は「管理がずさんだったんだろう」と思うものです。

でも、ずさんな会社は、そもそも、ニュースになるほど大きい会社になるはずがないのです。

PL保険(生産物賠償責任保険)は、不誠実な会社のための保険ではありません。

むしろ、品質にこだわり、お客様を大切にしている会社だからこそ必要な保険だと思っています。


納品した瞬間に責任が終わるわけではない

製造業は製品を作って納品したら終わりではありません。

本当に怖いのはその後です。

例えば、

  • 部品の強度不足
  • 加工不良
  • 溶接不良
  • 設計ミス
  • 異物混入

こうしたわずかな不具合が、後になって大きな事故につながることがあります。

しかも事故は自社工場の中で起きるわけではありません。

取引先の工場だったり、お客様の現場だったりします。

だから被害が大きくなりやすいのです。


「たった一つの部品」が工場全体を止めることもある

実際にあった事故です。

納品した部品の不具合が原因で、取引先の設備が故障しました。

社長からすると、

「部品一個の問題」

です。

ところが、その設備は生産ラインの重要な部分でした。

結果として、

  • 生産ラインの停止
  • 納期遅延
  • 修理費用の発生

につながりました。

相手企業から見ると、

部品不良ではなく、

工場停止事故

だったのです。

製造業のPL事故は、事故そのものよりも事故後の影響が大きくなりやすい特徴があります。


商品事故が起きた時、本当に大変なのはその後

これは食品関係のお客様で実際にあった話です。

飲食店で食中毒事故が発生しました。

幸い重症者は出ませんでした。

しかし被害に遭われたお客様がいらっしゃいました。

私は経営者の方と一緒に、お客様への謝罪に伺いました。

その時に強く感じたことがあります。

社長が心配していたのは、賠償金だけではありませんでした。

「お客様に申し訳ない」

という気持ちでした。

真面目に営業していたお店です。

衛生管理もしていました。

決して手を抜いていたわけではありません。

それでも事故は起きてしまいました。

社長は何度も頭を下げていました。

「またお店に来ていただきたい」といった社長の顔。被害者の複雑な表情。

私はその姿を今でも覚えています。


PL事故は「信用事故」でもある

PL事故というと、

「賠償金を支払う話」

だと思われがちです。

しかし実際には違います。

例えば食中毒であれば、

  • 治療費
  • 慰謝料
  • 休業補償

だけではありません。

その後、

  • お店の評判
  • 取引先との関係
  • お客様からの信頼

にも影響します。

製造業も同じです。

部品不良が発生した時、相手企業が本当に心配するのは、

「次も同じことが起きないだろうか」

ということです。

つまりPL事故は、賠償事故であると同時に信用事故でもあるのです。


小さな会社だからこそ備えが必要

中小企業の経営者にとって数百万円、数千万円の損害は決して小さくありません。

仮に年間利益が500万円の会社で2,000万円の損害が発生したらどうでしょう。

取り返すまでに何年もかかります。

場合によっては資金繰りの問題になり、会社存続に影響することもあります。

事故を起こそうと思って仕事をしている会社などありません。

それでも事故は起きます。

だからこそ備えが必要なのです。


PL保険が本当に守るもの

PL保険というと、

「賠償金を支払うための保険」

と思われることがあります。

もちろん間違いではありません。

しかし私は、

PL保険が本当に守っているのは

会社の信用と未来

だと思っています。

事故が起きた時、

迅速に補償を行う。

誠実に対応を行う。

取引先との関係を維持する。

社員の雇用を守る。

事業を継続する。

そのための保険です。


まとめ

私はこれまで様々な事故を見てきました。

そして事故を起こした会社には共通点があります。

それは、

どの会社も真面目だった

ということです。

品質管理をしていた。

安全管理をしていた。

お客様を大切にしていた。

それでも事故は起きます。

だからPL保険は、

事故を起こしそうな会社のための保険ではありません。

むしろ、

真面目にものづくりをしている会社だからこそ必要な保険

なのだと思います。

真面目にものづくりをしてきた会社だからこそ、得意先も大きくなり、お客様も多くなり、社会への影響が大きくなるのです。

利益は何年もかけて積み上げることができます。

しかし一度のPL事故は、その利益だけでなく、会社の信用まで奪ってしまうことがあります。

だからこそ私は、PL保険は単なる保険商品ではなく、

「会社の信用と未来を守るための経営の備え」

だと考えています。

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