D&O保険(会社役員賠償責任保険)とは? 「役員でも被告人になる可能性あり」
2025.08.06
5年ほど前から、会社役員賠償責任保険(D&O保険)へのお問い合わせが増えています。
ネットやSNSによって企業の不正が世間に漏れやすくなり、役員が責任を問われるケースが一般化してきたことが、その背景にあると思われます。
知人の経営者や親類などから「迷惑はかけないから」と頼まれ、他社の監査役や取締役を引き受けるケースもあるかもしれません。
何も問題が起きていないときは良いのですが、万が一、大きな不祥事やハラスメントが発生した場合、その責任が役員に及ぶ可能性があります。
知らない社員さんからハラスメントで訴えられ、「え?わたし?会ったことない人なのに?」という事も。
直接的な責任がなくても、訴訟に巻き込まれ、自分の名前が訴状に載ることは非常に精神的負担が大きく、避けたい体験です。
訴訟は数年に及ぶことも多く、期間中は「被告人」として賠償責任を問われ続けることになり、本当に嫌なものです。
そしてそのとき、会社があなたを守ってくれるとは限りません。
だからこそ、会社の役員を引き受ける場合は、その企業がD&O保険に加入しているかどうかを、事前に確認することをおすすめします。
🏢 D&O保険とは?
「会社の経営者にも保険が必要」
D&O保険(Directors & Officers Liability Insurance)は、企業の取締役や執行役員、経営陣が職務に伴って被る法的責任を補償するための保険です。
経営判断に過失があった場合、株主、従業員、取引先などから損害賠償請求されるリスクがあり、個人財産を守るために導入が進んでいます。
⚖️ なぜ必要なのか?
役員は日々、重大な意思決定を行います。その結果が思わぬ損害やトラブルにつながった場合、
• 株主から「経営判断ミス」で損害賠償請求
• 従業員から「ハラスメント・不当解雇」で訴訟
• 消費者から「不適切表示」や「事故」の責任追及
など、個人として法的責任を問われるケースが増えています。
D&O保険は、こうしたリスクをカバーし、経営者が安心して職務に集中できる環境を作る大切な仕組みです。
💡 主な補償内容
D&O保険で補償される主な費用は次のとおりです:
・損害賠償金
役員が法律上の賠償責任を負った場合の支払い(例:取締役の不注意によって株主から訴えられた場合など)。
・弁護士費用・訴訟対応費用
訴訟への対応に必要な弁護士報酬や調査費などの法的防衛費用。
・ 和解金・示談金
裁判に至る前の示談などにかかる費用も保険の対象となることがあります。
・訴訟関連の手続き費用
裁判所への提出書類準備費、翻訳費、専門家への依頼費など。
・緊急対応費用
場合によっては、広報対応や社内調査に関する費用など、企業イメージや信頼性を保つための初期対応費も補償対象になるケースあり。
📈 中小企業にも必要?
答えは「YES」です。大企業ほど訴訟件数は多くないものの、中小企業は資産・人材に余裕がなく、1回の訴訟が経営に直撃する可能性があります。
特に家族経営や地域密着型の企業では、役員=経営者=生活基盤という構造が多いため、リスクヘッジとして非常に有効です。
🌱 保険の導入で信頼感もUP
D&O保険の加入は、
• ガバナンス意識の高さ
• 法的リスクへの備え
• 従業員・株主への誠実な姿勢
の証となり、企業の信頼性向上にもつながります。