🚗事故・故障時のレンタカー利用──自動車保険で「安心」をつなぐために
2025.09.10
交通事故や突然の故障──そんな「予期せぬ停止」のあと、車が使えない期間に頼りになるのが「レンタカー」。しかし、保険でレンタカー費用が補償されるかどうかは、事故と故障で大きく異なります。今回は、自動車保険の補償内容と注意点を、やさしく解説します。
🛠事故と故障──保険の扱いはまったく違う
まず押さえておきたいのは、「事故」と「故障」は保険上、まったく別の扱いになるということ。
🚗事故と故障の違い──保険対応の境界線
自動車保険では、「事故」と「故障」は明確に区別されており、それぞれ補償の対象や対応方法が異なります。以下にその違いを整理します。
✅事故(保険の補償対象)
事故とは、外的要因によって車両に損害が生じた事象を指します。保険の補償対象となるのは、以下のようなケースです:
• 他車との衝突・接触
• 単独事故(ガードレールへの接触、電柱への衝突など)
• 飛び石によるガラス破損
• 台風・洪水・落下物などによる損害(自然災害)
補償される主な保険:
• 車両保険
• 対物賠償保険
• 対人賠償保険
• 人身傷害保険
• 搭乗者傷害保険
• 代車費用特約(修理期間中のレンタカー費用)
❌故障(原則、保険対象外)
故障とは、車両の内部的・機械的な不具合によって走行不能または安全性が損なわれる状態を指します。以下のようなケースは、保険ではなくロードサービスや整備対応が中心となります:
• エンジンの不調
• バッテリー上がり
• タイヤのパンク
• オイル漏れ・冷却水不足
• 経年劣化による部品の破損
対応される主なサービス:
• ロードサービス(レッカー、応急処置)
• 整備工場での修理(自己負担)
• 一部の特約で帰宅支援や宿泊費補助まり、事故で車が使えなくなった場合は、車両保険や代車費用特約が使える可能性がありますが、故障の場合は「保険ではなくサービス対応」が中心になります。(故障でもレッカー搬送された場合はレンタカー費用が出る事もある)
🚘代車費用特約とは?
代車費用特約とは、事故で車が修理中に使えない期間、レンタカーなどの代車費用を補償してくれる特約です。
主な補償内容
• 修理期間中のレンタカー費用(上限あり)
• 日額5,000円〜10,000円程度が一般的
• 補償期間は最大30日程度(故障の場合は15日程度)
※保険会社によって条件が異なるため、契約内容の確認が必要です。
⚠️注意点①:故障では使えない
代車費用特約は「事故による修理」が前提です。エンジンの自然故障やバッテリー上がりなど、経年劣化や整備不良による故障では、保険の補償対象外となることがほとんどです。
ただし、ロードサービスに加入していれば、以下のような対応が可能な場合もあります:
• レッカー搬送(一定距離まで無料)
• 応急処置(バッテリー交換・パンク修理など)
• 帰宅支援(公共交通費の補助)
⚠️注意点②:レンタカーの種類に制限あり
保険で補償されるレンタカーは、一般的な乗用車が中心です。高級車・大型車・特殊車両などは対象外となることが多く、希望通りの車種が借りられない可能性もあります。
また、レンタカー会社の在庫状況によっては、すぐに借りられないこともあるため、早めの手配が肝心です。
⚠️注意点③:保険会社への事前連絡が必須
事故後にレンタカーを手配する際は、必ず保険会社や保険代理店に事前連絡をしましょう。連絡なしでレンタカーを借りてしまうと、補償対象外になることがあります。
伝え方の例
「事故(または故障)で車が動かないため、代車を利用したいのですが、補償対象になりますか?」
この一言で、補償の可否や手配方法を丁寧に案内してもらえます。
🧾自己負担になるケース
以下のような場合は、レンタカー費用が自己負担になる可能性があります:
• 故障による利用
• 保険未加入・特約未付帯
• 補償上限を超える高額レンタカー
• 保険会社への連絡なし
• 契約者以外の運転による事故
🌱まとめ──「移動の安心」も保険のうち
事故や故障のあと、車が使えない不便さは、生活や仕事に大きな影響を与えます。だからこそ、自動車保険の代車特約、レンタカー特約の補償内容を事前に確認し、「いざという時に使えるかどうか」を把握しておくことが、心の余裕につながります。