読書感想 「脱コスパ病」 小島尚貴さん
2024.04.09
『タイパが良い』という言葉を聞くことがあります。
それには「なるほど」と思う自分がいるし、「何かそうじゃない気がする」という自分もいる。
常に仕事の生産性向上を考える経営者としては、時は金なりと思う。でもタイパは、なんだかしっくりこないのです。
そんな時、「脱コスパ病」という本が目に留まりました。
内容を大まかに言えば、安価な輸入品、逆輸入品にばかり買わないで、日本人として、日本の発展のために、地産地消をしていきましょう。という話でしたが、その中で「価値のあるものとは何か」についての話が面白いものでした。
タイパの『パ』(パフォーマンス)とは何か?
時間当たりに得るものが多い事を指すのでしょうが、タイパを突き詰めて捻出した大切な時間で、それ以上の何を得たいのかな?と思うのです。
映画や動画を倍速で見て、何を感じるのか?
文化や教養を倍速で見て、何に活かすのか?
切り詰めて捻出した時間を、本当により価値のあることに使えているのか?
タイパで省かれている、一見無駄に見える時間の価値については、経験の多い人ほど(無駄じゃなかったなと)しみじみ大切さを感じるものだと思うのです。それを省けば必ず他のより良いものを得られる。とも感じられないんですね。
タイパ・コスパって本当は何なのか?をよく考えたいのです。
単純に、タイパ・コスパと括ってしまわないこと。みんなに流されて、自分の頭を使わずに、倍速はタイパが良い、コスパが良い、と言ってしまっていないか。
自分のやる事、考える事に、もっと価値がある筈ですし、
パフォーマンス(価値)の感じ方はその人自身の感覚ですものね。
自分にとって、本当にタイパの良いもの、コスパの良いものを選べるか?
私事でいえば、読書や勉強の時間は時間がかかるので、短期的にタイパは良くないかもしれません。でも長期的に見ると、本や学びから得るものはとてもタイパやコスパに優れたものです。
最近はオーディオブックという有難いものもあり、運転しながら本を聞けるので、これもタイパが良いと感じます。移動の時間がとても有意義なものになります(^_^)
あとは、この本にあったように、出来る限り国内の生産者さんを支援できるよう、地産地消を心がけていくことも、多少大変さはあっても、日本を応援する、意味のある事だと思います。
そういう日々の判断・選択・決断で形作られていく、自分の心と体。
自分なりの、タイパ・コスパ。それはその人の生き方を表すものなんですね。
そういう事を、もう一度考えるきっかけを頂いたこの本でした。