中東情勢の悪化で、日本の中小企業に何が起きるのか ― 製造業・建設業が今すぐ備えるべきポイント ―
2026.03.25
2026年3月、米国・イスラエルとイランの衝突が続き、ホルムズ海峡の封鎖リスクが高まっています。
大和総研のレポートでは、
「中東産原油・LNGが10%減ると、日本はマイナス成長に転じる」
と試算されています。
つまり、原油高+アジア全体の供給不足が同時に起きる可能性が高いということです。
この影響を最も受けるのが、中小零細の製造業・建設業です。
1. これから実際に起きる主な問題
■ 原材料・部品の値上がり
日本は原油の93%を中東に依存。
石油由来の材料(樹脂・塗料・潤滑油など)はほぼ確実に値上がりします。
さらに、中国・台湾・韓国の工場が止まると、
部品の納期遅延や欠品も発生します。
■ 電気代・燃料代の上昇
原油価格が高止まりすると、
• 工場の電気代
• 配送コスト
• 重機の燃料費
が一気に上がり、利益が圧迫されます。
■ 取引先の発注減少
アジアの景気が落ち込むと、日本の輸出産業が減速し、
そのしわ寄せが中小企業に来ます。
2. 業種別:具体的に起きることと備え方
◆ 製造業(例:金属加工・樹脂加工・機械部品)
起きること
• 樹脂・塗料・潤滑油などの値上げ
• 海外部品の納期遅延
• 輸送費の上昇
• 価格転嫁の難しさ
備え方
• 代替材料の候補を準備
• 重要部品だけ在庫を少し積む
• 値上げの根拠資料を整える
• 調達先を国内・東南アジアに分散
◆ 建設業(例:設備工事・住宅建築・土木)
起きること
• 鉄鋼・アルミ・セメント・アスファルト・建材費等の値上げ
• 重機の燃料費増加
• 運送費の上昇
• 設備投資案件の減少
備え方
• 契約に「価格変動条項」を入れる
• 見積りを原材料費や燃料高騰前提で作る
• 地元資材業者との連携を強化
• 工期短縮の工夫で燃料消費を抑える
3. 今すぐできる“生き残りの準備”
① 調達リスクの棚卸し
まずは弱点を把握することが最優先です。
② 値上げ交渉の準備
原油高のデータやレポートを根拠に、
**「値上げは不可避」**と説明できる資料を揃えておく。
③ キャッシュ確保
不況期は「現金がある会社」が強いです。金利が上がらないうちに借りておくのも一つの方法です。
事前に、借入までにかかる時間を金融機関に確認しておくことも備えになります。
④ 省エネ・省力化の検討
電気代が上がるほど、省エネ設備の投資回収が早くなります。
これからは、『「効率性重視」から「生き残りモード」へと根本からの作り変えを強いられている』(未来調達研究所㈱)だそうです。
オンデマンド調達、原材料在庫削減とは言っていられなくなる可能性が大です。
多少高くても、持続的に供給してもらえる体制が不可欠な世の中になるようです。
4. 最後に:経費削減の“盲点”にも目を向けてほしい
原材料・燃料・電気代が上がる今こそ、
固定費の見直しが企業の体力を大きく左右します。
その中でも、意外と見落とされがちなのが 損害保険(建物、設備、賠償責任保険)の契約内容 です。
• 補償が重複している
• ずっと同じところにお願いしている
• 使っていない特約が付いている
• 逆に必要な補償が不足している
• 事故率に合わない保険料を払い続けている
こうしたケースは中小企業で非常に多く、
見直すだけで年間数十万円の経費削減につながることもあります。
経費削減の一つの選択肢として、
損害保険の見直しもぜひ視野に入れてください。
必要であれば、状況に合わせてお力になります。
<参考資料>
・未来調達研究所株式会社
https://www.future-procurement.com/iranusaPro.html
・株式会社大和総研
https://www.dir.co.jp/report/research/economics/japan/20260318_025641.html